2026年現在も多くの来園者に愛され続ける上野動物園のジャイアントパンダたち。日本と中国の友好の証として初めて来園したカンカン・ランランから、記憶に新しい双子のシャオシャオ・レイレイまで、歴代のパンダたちは日本の社会や文化に大きな感動と癒やしを与えてきました。
本記事では、上野動物園における歴代パンダの名前一覧をはじめ、それぞれの命名の由来、誕生の背景、そして日本で歩んできた感動の歴史を分かりやすく紐解いていきます。知られざるパンダたちの歴史を深く振り返り、その魅力を再発見してみましょう。
上野動物園の歴代パンダと名前の歴史を総覧する

上野動物園に初めてジャイアントパンダがやってきたのは、1972(昭和47)年10月のことです。日中国交正常化を記念して、中国からオスの「カンカン」とメスの「ランラン」が来園しました。当時の日本国内におけるパンダブームは凄まじく、動物園の前には連日長蛇の列ができるほどの社会現象となりました。
その後も、トントン(童童)、フェイフェイ(飛飛)、ホァンホァン(歓歓)、ユウユウ(悠悠)といった個体が次々と来園・誕生し、上野動物園は日本のパンダ飼育・研究の中心地としての歴史を築いていきました。それぞれの時代背景の中で、パンダたちの存在は常にニュースや人々の会話の中心にありました。
【一覧表】上野動物園の歴代パンダ・名前の由来と来歴
上野動物園で飼育されてきた歴代のジャイアントパンダについて、名前や来園・誕生の時期、命名の背景などを整理しました。日本のパンダ史を俯瞰するための重要なデータを以下の一覧に示します。
| 名前(愛称) | 性別 | 来園・誕生時期 | 主な特徴・背景 | 命名の由来・経緯 |
|---|---|---|---|---|
| カンカン | オス | 1972年10月来園 | 日中国交正常化記念として初来園 | 中国側が命名。日中国交正常化を象徴する響き。 |
| ランラン | メス | 1972年10月来園 | カンカンと共に初来園し人気を博す | 中国側が命名。親しみやすく愛らしい響きから選定。 |
| ホァンホァン | メス | 1980年2月来園 | カンカン・ランランの後に来園した母パンダ | 中国語で「歓歓」を意味し、喜びや祝福を表す。 |
| フェイフェイ | オス | 1980年2月来園 | ホァンホァンと共に来園 | 中国語で「飛飛」を意味し、飛躍や活力を表す。 |
| トントン | メス | 1985年6月誕生 | 上野動物園で初めて誕生した記念すべき個体 | 一般公募により決定。東京の「東」や当時の世相を反映。 |
| ユウユウ | オス | 1988年6月誕生 | ホァンホァンとフェイフェイの間で誕生 | 一般公募により決定。健やかに悠々と育つ願いを込めて。 |
| リリィ(※歴史的文脈) | - | - | 過去の検討や研究史における表記など | (歴史的資料に基づく補足的な呼称) |
| シャンシャン | メス | 2017年6月誕生 | 大きな社会現象となった人気アイドルパンダ | 一般公募約32万件から選定。「香香」、咲き誇る花のイメージ。 |
| リーリー | オス | 2011年2月来園 | シンシンと共に来園、長年上野を支えた父親 | 一般公募を参考に決定。「力力」、力強い健康を願う。 |
| シンシン | メス | 2011年2月来園 | リーリーと共に来園、優れた母親として知られる | 一般公募を参考に決定。「真真」、純真さや真心の意味。 |
| シャオシャオ | オス | 2021年6月誕生 | 双子として誕生、緑のマーキングが特徴 | 一般公募から選定。「暁暁」、夜が明け光が差す様子。 |
| レイレイ | メス | 2021年6月誕生 | シャオシャオの双子の姉妹 | 一般公募から選定。「蕾蕾」、未来の開花や希望を象徴。 |
大ブームを巻き起こしたシャンシャンと命名の舞台裏
2017年6月に誕生した「シャンシャン(香香)」は、上野動物園の歴史において最も熱狂的なブームを巻き起こした存在です。誕生時のニュースは日本中を駆け巡り、一般公募には過去最多水準となる約32万2千件もの応募が寄せられました。
選考委員会の厳正な審査を経て決定された「香香」という名前には、明るく華やかに人々を魅了してほしいという願いが込められていました。観覧抽選には連日高い倍率がつき、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けつつも、多くのファンに愛されながら中国への返還を迎えるまで日本のメディアや社会に明るい話題を提供し続けました。
リーリーとシンシンが果たした役割と次世代への継承
2011年2月に来園した「リーリー(力力)」と「シンシン(真真)」は、上野動物園の近代的なパンダ飼育・繁殖において中心的な役割を果たしたペアです。来園当初から落ち着いた佇まいで来園者を魅了し、多くの人々にとって「上野の顔」として親しまれてきました。
特にシンシンは優れた母性を発揮し、2017年のシャンシャン誕生に続き、2021年には待望の双子であるシャオシャオとレイレイを出産しました。これら一連の繁殖成功は、動物園スタッフによる高度な飼育技術と、日中両国の専門家による共同研究の成果であり、パンダ保全の歴史における重要なマイルストーンとなりました。
2021年誕生の双子:シャオシャオとレイレイの由来と成長
2021年6月に誕生したオスの「シャオシャオ(暁暁)」とメスの「レイレイ(蕾蕾)」は、上野動物園にとって初めての双子誕生として大きなニュースとなりました。名前の公募では約19万件の応募が集まり、選考を経て決定されました。
「シャオシャオ」の「暁」は夜が明けて明るくなること、「レイレイ」の「蕾」はつぼみから花ロ開く未来への希望を意味しています。2頭がスクスクと成長する姿は、コロナ禍をはじめとする困難な社会情勢の中で多くの人々に勇気を与え、日々のニュースや公式SNSを通じて広く伝えられました。
【上野動物園パンダ名前】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:上野動物園の歴代パンダの名前はどのようにして決められてきたのですか?
A1:初期のカンカンやランランは日中国交正常化の際に中国側から贈られたため中国サイドで命名されましたが、1985年のトントン以降は日本国内での一般公募が実施されるようになり、数多くの応募の中から専門委員会の選考を経て決定されるのが主流となっています。
Q2:シャオシャオとレイレイの見分け方はどこにありますか?
A2:幼少期から飼育スタッフによる体毛のマーキングや個体ごとの特徴(体格や顔立ち)の分析が行われてきました。シャオシャオには体表に緑色のマーキングが施されるなどの工夫があり、来園者がそれぞれの個性を楽しめるよう配慮されています。
Q3:上野動物園のパンダたちは現在どうなっていますか?
A3:これまでに誕生・来園した多くのパンダたちが日中間の友好の架け橋となり、返還された個体も含めて日中両国の共同研究や保全活動の象徴として大切に記録・記憶されています。
1972年のカンカン・ランランの来園から、トントン、シャンシャン、そしてシャオシャオ・レイレイに至るまで、上野動物園のパンダたちは常に日本の人々に笑顔と感動を届けてきました。それぞれの名前に込められた願いや、誕生・成長の歴史をたどることは、単なる動物の記録にとどまらず、日中間の文化交流や生命の尊さを学ぶ貴重な機会です。
今後も上野動物園のパンダたちが歩む歴史と日中共同研究の動向は、多くの人々の関心を集め続け、日本の文化や社会に温かい絆を紡ぎ続けることでしょう。